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1: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 20:59:58 ID:5D/9J3o/0
“・・・私はマジ女に行く” 

“前田さん・・・” 

“この街にいるのが辛いんだ・・・ 
 もうお前とも会えなくなるだろう” 

“・・・行かないでください 
 私を・・・1人にしないでください・・・” 

“すまない。真子” 

“前田さん・・・!!” 

「・・・」小嶋真子の脳裏をよぎる過去。 
「ここが・・・あの人がいた学校か」 

真新しい制服に身を包み、 
小嶋真子は“マジ女”の校門の前に立つ──
2: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 21:13:40 ID:5D/9J3o/0
???「どうだネズミ?今年の1年は」

「なかなか面白い奴らがいるよ。
 昨日の1年最強決定戦で生き残ったのは4人」

1人は相笠萌。こいつは中学時代から名が売れている。
3つの中学を支配下に治めてそれを手土産にマジ女に
入学してきたらしい。
C組を制して隣のDに攻め込んだが、そこでストップ。
まだ勝負はついていない。

2人目はその相笠を止めた大島涼花。
相笠とは中学時代からのライバルだ。
相笠が攻め込んだ4つめの中学にいたのがこいつでね。
見た目はガキだけど喧嘩は強い。

3人目は岡田奈々。
相笠は一度も南中には攻めようとしなかった。
南中にはこいつがいたからね。
色んなヤンキー高からスカウトが来ていたって話だ。
喧嘩が強い上に頭もキレる。
左目の下に涙のタトゥーがあるから、 見れば一発でわかる。

4人目は隣街の中学からきた西野未姫。
こいつは変わった奴らしい。
普段は子供みたいな性格だが、何かをきっかけに人格が変わる。
ちなみに金眉会の奴らがこいつにやられた。
気絶した相手を笑いながら殴っていたらしい。
もうひとつの人格の名前は“夜叉”。

ネズミの説明が終わるとセンターは腰を上げ窓から外の景色を見つめる。
「誰が来るだろうな?この部室に」

「ラッパッパの部長として楽しみかい?センター」

「ああ。前田やおたべがいなくなってから退屈だからな」
センターは振り返りネズミの顔を見て微笑んだ後
「屋上で寝るよ」と部室から去っていった。
前田を追っていたはずが、いつのまにか誰かに追われる立場になった。
それは寂しくもあり、嬉しくもあった。
強き者との出会いを待っていたから。

一時代を築いた前田達と、入れ違いで
入ってくる少女達との新たな出会いを。

3: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 21:18:15 ID:5D/9J3o/0
“ガチャ” 屋上のドアを開ける。
目に映った光景に眉間に皺を寄せるセンター。
背を向けたままの“少女”にセンターは 静かに、
そして怒りを込めた口調で言った。
「放してやれ。もう気を失ってるだろ」
少女はパッと手を放す。
“ドサッ” 周りには5人ほど倒れていた。
ゆっくりと振り返った少女の長い黒髪が風に揺れる。

「“頂点”て普通、屋上にいますよね?
 いてくださいよ。 ラッパッパ部長“センター”・・・」

少女は髪を束ね始める。
子供のように優しく微笑んだその顔には
真っ赤な返り血が付き、やけに不気味だった。
センターはなぜか一瞬、前田敦子の姿を少女に重ねた・・・
こいつ・・・

「一応聞いておこう。私に会ってどうするつもりだ?」
「頂点から引きずり降ろす」
少女から感じる殺気。
この感じ・・・ゲキカラやチョウコクと対峙した時のような
死をも感じさせる危険な空気。
いや・・・その時以上かもしれない。
少女が目つきを鋭い眼孔に変えた。
その瞬間── “ザッ!”
少女の速攻がセンターを襲う。
だがセンターは左腕でガードする。
それとほぼ同時に繰り出されてきた左のハイキック。
センターは仰け反るように避けるが “ザ”頬をかすめ血が滴り落ちる。
「チッ・・・!」センターは左の拳を向けた。
少女は即座に反応し跳び上がるように
右のハイキックを繰り出す。
“ドカッ!”センターの左腕を狙っていた。
「く・・・!」センターは左腕を押さえ顔を上げた。
「ただの無謀な新入生ってわけでもないみたいだな・・・
  お前、名前は?」

──「小嶋真子」

4: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 21:55:20 ID:3wSEVAR00
天才キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

5: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 22:44:56 ID:5D/9J3o/0
新入生・小嶋真子とマジ女の頂点センターが
対峙している事を知らないネズミは部室に残り黒板に書かれた
1年の名前を見つめていた。
すると2年のつの字連合・イズリナが血相を変えて部室に入ってきた。
「副部長!とんでもない奴がマジ女の 1年に!」

「どうしたんすか?」

「今日、初めて学校に来たそうです。
『小嶋真子』・・・先輩も聞いた事ありますよね?」

ネズミは一瞬驚いた表情をする。
小嶋真子・・・・・・“伝説の成れの果て”
「チームZEROの小嶋真子」

以前チームホルモンウナギがこんな事を言っていた。
『ランドセルを背負った恐ろしく強い小学生が族を潰した』

その主人公がマジ女の新入生 としてやってきた──

14: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:33:07 ID:xHjkrf1M0
>>5
ランドセルwww

6: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 22:46:39 ID:5D/9J3o/0
なにかイヤな予感がした。
ネズミは険しい表情に変えイズリナに言った。
「で、その小嶋真子は1年の教室に?」

「いや、学校に来てそのままどこかに消えたみたいです」

やはり狙いは・・・マジ女のてっぺん・・・  
「屋上だ。あいつはセンターに会いに行ったはず、いくぞ」

ネズミ達が屋上へ向かった頃
センターと小嶋真子は激しい攻防を繰り広げていた。
互いに顔から血を流し、拳からは返り血が滴り落ちている。
“互角”の戦いだった。
センターは唇から流れる血を拭う。
「さすが・・・“チームZERO”の小嶋真子だな」

「あなたも・・・。狩りがいがありますよ。
 それにしても意外ですね。
 “私達”の事を知っているんですね」

「有名だからな。他の“仲間”はどうした?」

「・・・皆、別の高校に進んだと思いますよ。
 “隣街”のマジ女に来たのは、私だけじゃないですか?」

“チームZERO”
当時、小嶋真子が中学生だった頃、小嶋真子を中心に
各地区の選ばれた者だけで結成された最強の喧嘩チーム。
メンバーは・・・
現マジ女の“小嶋真子”
矢場久根“北川綾巴”
ガンギレ高校“薮下柊”“渋谷凪咲”
そして八木女の“田島芽瑠”
喧嘩上等を掲げた彼女達は幾つもの中学を恐怖に陥れた。
リーダーの小嶋真子は目が合っただけで
拳をぶちこむ事から、
付いたあだ名が“メデューサ”。

15: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:36:10 ID:xHjkrf1M0
>>6
あとみおたすもお願い

7: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 22:51:07 ID:5D/9J3o/0
“ペッ・・!”口から血を吐き出しセンターは真子を睨みつけると
カーディガンを脱ぎ捨てた。
制服の背中には銀色でラッパッパのシンボルマークの刺繍が
施されていた。その周りには何枚かの桜の花びらの刺繍もある。
髪をかきあげた瞬間、センターの殺気が高まる・・・

「小嶋真子・・・マジ女に来たのは誤算だったな」

「誤算?」

「ああ。マジ女にはこの“私”がいたって事だよ・・・」──

──“おらぁ!!”
センターは飛び上がり、拳を振り下ろす。
“ガシッ!”それを左腕で受け止める真子。
センターはそれを読んでいたかのように
真子の後頭部に左手を回し引き寄せると同時に・・・
“ドカッ!!”飛び膝蹴りを叩き入れた。
“くっ!”真子は顔面を押さえながら
後ずさりをする。
鼻を押さえ、鋭い眼光でセンターを睨みつける真子。
真子もまたさっきまでの余裕の笑みを消す─
「・・・・・・“前田さん”に認められた奴ってのは本当らしい」

「お前、前田を知っているのか?」

「ええ。あんたらが、あの人を守れなかった事もね。
 それとも・・・マジ女にきて前田さんが
“腑抜け”になったか・・・」

「ふざけるな。あいつは誰よりも強い」

─「・・・八木女にいた頃のあの人はね」

8: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 22:53:25 ID:+VufGoUt0
小説スレか
決定したかと思たわw
これは実現するといいな


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9: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 23:15:34 ID:5D/9J3o/0
“ガチャ”

「センター!」

屋上のドアを開けたネズミが足を止め “敵”を見据える。
連れてきたつの字の仲間達5人は怪我をしているセンターの様子に
一瞬戸惑いの表情を見せるが、 “敵”の小嶋真子に視線を移し、声を
上げ臨戦態勢に入る。
「殺すぞ1年!」「部長に何してんだコラァ!」

小嶋真子は余裕の笑みを見せ、一歩前に出て ネズミ達のほうへと近づいていく。
「いいですよ。 私はタイマンだとかこだわってないんで・・・・・・
  このまま全員相手にしたほうが“シンプル”ってもんですよ」
口調こそ穏やかではあったが明らかに敵意むき出しで殺気を纏い威圧していた。
センターが真子を止めようと動き出そうとした時だった。
ネズミが口を開く。
「小嶋真子・・・今日のところは止めにしないっすか?」

「ネズミ・・・!!」センターは納得いかない様子だが
ネズミが真剣な眼差しでセンターを見据えると
「・・・くそっ」怒りを堪えるように拳を握りしめていた。
ネズミは目の前まで接近した小嶋真子に顔を向けた。
真子は不敵な笑みを浮かべネズミに言った。
「嫌だと言ったら?」

「・・・・・“マジ女”が今日、お前を“全力”で潰す」

10: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 23:21:38 ID:5D/9J3o/0
ラッパッパ副部長としてマジ女の生徒達を動かす─
微笑こそあったがネズミの言葉には強い意志が感じられた。
その場は静まり返り緊張感に包まれる。
小嶋真子がその緊張を破るように 「ふふっ」と微笑んだ。
「・・・わかりました。楽しみは最後にしておきますよ。
 他にもやる事がありますし」

「1年制覇か?」
ネズミの言葉に小嶋真子が 「ええ」と静かに頷くとネズミは言葉を続けた。
「甘く見て階段から転げ落ちないように・・・」

「ないですね。同世代に負けるわけがない」
小嶋真子はその場を去ろうとドアのほうへと歩いていくと
センターが口を開いた。

「あいつ・・・なぜ前田の事を・・・」──

センターを追い詰めるほどの強さを持ち、
前田敦子の過去を知る者・小嶋真子は
屋上から去っていった。
1年を制覇するのは“小嶋真子”である。
つの字連合の者達はそう思った。

だが真子はこの後、知る事になる・・・ マジ女の“頂点”に立つためには
“力”だけではダメだという事を。
これから出会う者達が小嶋真子を変える──

11: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/19 23:52:23 ID:3wSEVAR00
( ゚∀゚)o彡゚ 天才! 天才!

12: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:06:26 ID:ekuenDvR0
ふむふむ、とりま続けて

13: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:24:21 ID:7QCL62hq0
超絶期待

16: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:36:47 ID:nNYwyqlc0
カツッ、カツッ、1年の廊下に響きわたる真子の足音。
廊下にいたヤンキー達は真子に気が付くと静かに道を開ける。
ヤンキーなら誰もが知っている。
“ZEROの小嶋真子”
「“奈々”・・・・・・マジ女に入ったんだ?」
真子は足を止める。
真子の行く手を阻んだ
─“岡田奈々”─もその1人だった。
綺麗な黒髪に冷たい目。
その目の下の一粒の涙のタトゥーが彼女の顔に“切なさ”
を与える。
真子と奈々はお互い以前から知っているようだった。
「久しぶりだな、真子」

「会ったら殺してやろうと思っていたよ・・・」
真子はうっすらと微笑んでいたが
その目には徐々に怒りが宿る。

「ZEROを抜けた私を恨んでるか?・・・」

「裏切り者が・・・」
真子が拳を握ると、周りにいた生徒達の間に
緊張が走る。 その時だった──
奈々のほうへと近づいていく者達がいた。
岡田奈々の後ろに並ぶ5人組。
チームポン酢・高島祐利奈、篠崎彩奈、茂木忍、岩立沙穂、村山彩希。
茂木が奈々の肩に「ポンッ」と手を置く。
「手を貸すぜ。もし“こいつ”が頂点になったら
  マジ女は“チームZERO”のものって事になるからな」

篠崎もまた奈々のほうに顔を向けにっこりと笑う。
「マジ女は“マジ女”だからね。 うちらはどこにも屈しない
 最強のラッパッパに憧れてこの学校に来たから・・・
  そうだよね?“萌”」

篠崎が後ろに振り返ると、チームポン酢の者達、
そして岡田奈々も後ろを振り返る。
真子の視線の先にいるのは
─“相笠萌”と“大島涼花”だった。

17: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:40:34 ID:vMHCSFnYP
これは、面白い!

18: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:44:08 ID:nNYwyqlc0
小嶋真子は少し驚いた顔つきをする。
「城北中の相笠と東陽中の大島・・・あんた達手を組んだんだ?」

相笠はゆっくりと小嶋真子に近づいていく。
「勘違いすんな、バーカ」
涼花もまた相笠の後に続き、真子の前に立つ。
「“タイマン”だ!ほら、どっちか選べ!」

小嶋真子は不敵な笑みを浮かべる。
中学で名が売れていた強者たちも前にしても
焦る様子も動揺する事もなかった。
「・・・“タイマン”?こっちは取り込み中なんだよ。
 面倒だからまとめてかかってきなよ」

すると、岡田奈々は「ふっ」と突然笑みを浮かべた後、
小嶋真子に背を向けた。
「相変わらずお前の周りは敵ばかりだな・・・」

「なに?」笑みを消す小嶋真子。

「・・・それじゃマジ女の頂点には立てない」

「どういう事だよ?」
奈々の言った言葉が真子を苛立たせた。

「そのうち分かるさ・・・じゃあな 」
そう言って奈々は去っていった。
目の前には相笠と涼花、そしてチームポン酢が残った。
真子の苛立ちは彼女達に向けられた。
「頂点に立てない?・・・私が?」独り言のように呟く真子。
「・・・・・・黙って私の下につけばいいんだよ・・・」

真子の殺気を感じた涼花と相笠はその瞬間身構える。
「悪いな涼花!先、やらせてもらうぜ!」
相笠が向かっていくと、
涼花は「あっ、ずるいぞ!」と声をあげた。
相笠の拳が真子に向けられる。
「誰がつくか!コラ!」

真子が叫ぶ─
─ 「ならここで潰してやるよ!!」

19: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:58:10 ID:nNYwyqlc0
─“ガッ”
真子は相笠の左拳を右腕で払い、
即座に右のハイキックを叩き込んだ。
“・・・・!”相笠はこめかみを押さえ苦痛で顔を歪めるが
“おらぁ!”後ろ回し蹴りで反撃に出る。
真子は体を屈ませそれを避けると、
相笠の懐に入り拳を叩きこむ。
“ザッ”─床に手を付く相笠。
「てめぇ・・・」立ち上がり、相笠は声を荒げる。
「悪いコアラみたいな顔してんじゃねぇーよ!!」
真子に向かっていき相笠はドロップキックを叩きこむ。
「・・・・!」真子は両腕でガードするが
態勢が崩れ、“次”の攻撃の防御に間に合わなかった。
左腕に感じた痛みが反応を遅らせた。
“センターの拳”を受けたところだった。
あの時の・・・!

20: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 00:59:59 ID:nNYwyqlc0
相笠の右拳が真子の顔面に叩きこまれる。
長い黒髪が揺れ、真子の表情を隠す。
追撃しようと相笠が真子の胸ぐらを掴み、拳を上げた時──
─見上げるように顔を上げた真子の鋭い眼光に
相笠は一瞬怯む。
真子は相笠の襟を掴み、殴り飛ばした。
壁に背を打ち、尻もちを付く相笠。
「おい!やられてんじゃねぇーよ!」
涼花が相笠に向かって叫んだ時だった。

真子は“にこっ”と涼花へ微笑みかける─
そして涼花のほうへと向かっていき、
“ガッ”真子は涼花に跳び蹴りを繰り出した。
倒れた2人を見下ろす小嶋真子。
髪をかきあげ長い髪をシュシュで束ねる。
「言ったろ?・・・まとめて来いよ」

相笠と涼花は膝に手をつき、ゆっくりと立ち上がる。
真子の威圧感に相笠の顔色が変わる。
「タイマンじゃないってよ・・・・・・・どうするよ?涼花」

涼花は真子に気圧されるがそれを
楽しむかのように薄らに笑みを浮かべる。
「相手がそう言うなら・・・・別にいいんじゃね?」
小嶋真子は一歩、また一歩と2人に近づいていく。
獲物を狩る狼のように・・・・

2人は拳を強く握りしめ、同時に声を上げ向かっていく。
“行くぞ、おらぁ!!”──

21: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 01:16:09 ID:TARZF3+A0
面白い
いいぞいいぞ
やるじゃないかやるじゃないか

22: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 01:28:49 ID:7QCL62hq0
かなり面白い
小説スレは途中で辞めちゃう人も少なくないからこのスレは最後まで書いてほしいね

23: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 01:48:18 ID:nNYwyqlc0
チームぽん酢の面々は想像以上の真子の強さに動く事ができずにいた。
喧嘩なんて殆どした事がない。
拳を強く握ろうとするが、震えて力が入らなかった。
村山の目に映る本物の喧嘩。
“涼花”が倒される姿・・・・真子は倒れた涼花の髪を掴み
力ずくで立たせ、“バシ”執拗に顔面を殴りつけた。
涼花は目をうっすらと開け、殴られてはゆっくりと
真子のほうへと顔を向ける。
心はまだ折れていない。
適わないとわかっていても屈したくはなかった。
薄れゆく意識を涼花のプライドが繋ぎ止める。
「止めろ・・・・!」
血を流し体をふらつかせる相笠が真子の体を背後から掴む。
「もう勝負ついてんだろ・・・・私が相手だ・・・・」
“ドカッ”真子が涼花の髪から手を放すと
涼花は膝から崩れ落ちその場に倒れた。
「わりぃ・・・萌。後は・・・頼むわ・・・」
涼花は眠るように目を瞑る。

「黙って寝てろ・・・クソガキ」
相笠は構えるが、真子はなぜか違う方向に顔を向けた。
チームぽん酢の者達は警戒するように震えながら身構える。
相笠は真子を止めようと肩を掴む。
「待てよ・・・本当はアイツら、喧嘩なんてできる奴らじゃねぇよ・・・
 それに、私との喧嘩が終わってねぇだろうが」

振り返る小嶋真子。相笠の手を払う。
「アイツらは、あんたに守られてきたから喧嘩をする必要がなかったんだ。
 ・・・だから弱いままなんだよ」

「力や心が弱い奴だっている・・・
 そういう奴らを守るのが“てっぺん”の役目だろ」  
「守れるの?あんたに」真子は相笠の胸ぐらを掴み
不敵な笑みを浮かべた。
相笠もまた真子の胸ぐらを掴み、鋭い眼光で睨む。

「何度も言わせんな。アイツらは私が守る」

24: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 02:41:35 ID:vMHCSFnYP
熱い、熱いね!
こういうの好きだよ!

25: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 02:51:25 ID:nNYwyqlc0
相笠の体力はもう限界、真子はそれを知っていた。
だが『守る』と言った相笠の目は
虚勢でもなく本気でそう思っている。
そんな目だった・・・
その時、真子の目に信じられない様が映った。

「よく言った・・・萌。それでこそ私のライバル・・・」

少し驚いた表情をする真子。
「・・・まだ、私とやる気?」
「やる・・・っしょ」
“大島涼花”はゆっくりと立ち上がり傷だらけの顔で
笑ってみせる。

涼花はふぅ~と息を大きく吐く。
「さぁ、続きやろうぜ・・・小嶋真子」

先に動いたのは相笠だった。
涼花が限界なのは明白で、これ以上無茶をさせる
わけにはいかない。
相笠の右拳が真子に向けられた。
“ガシッ”
真子は拳を左手で受け止め、掴む。
押し切ろうと力を込める相笠に、真子は問う。
「もう限界だろうが・・・どこにそんな力が」

「さぁ?友情パワー・・・ってやつだろ?」

「・・・なんだそりゃ、訳わかんねーよ!」
真子は右拳を相笠の頬に叩き込む。
体をふらつかせた相笠は倒れまいと足に力を入れ
“バシ”真子を殴り返す。
「・・・!」こいつ・・・!
真子はもう一度相笠を殴りつける。
だが、相笠は体をよろかせるも倒れない。
“バシッ”真子を殴り返した。
相笠は鋭い眼光で真子を見据える。
「どうした?・・・“マジ”になれよ」

26: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 02:53:57 ID:nNYwyqlc0
「お前・・・」
真子は彼女達を、マジ女を舐めてかかっていたのかもしれない。
予想を遙かに上回る強さに戸惑いすらあった。
“仲間のために”限界を超える。
それは、仲間と呼べる存在がいない
今の真子にとって理解しがたい事だった。
真子の脳裏をよぎるZEROのメンバー、薮下柊の言葉。
「真子・・・あんたは恐ろしく強い。
 けど、それだけや。強すぎるから周りが見えてない。
 “皆”これ以上付いていけへん言うてる・・・
 あんた、“何のために”マジに喧嘩してるんや?」
背を向けて離れていく柊、そして他のZEROメンバー達。

─「何が・・・マジ・・・だ」
真子は俯きながら拳を固く握りしめ言葉を続ける。
「何が・・・仲間だ?」

「・・・お前」相笠は真子の様子がおかしい事に気づく。
だが、遅かった。
真子は静かに口を開く─
「マジになっても虚しいだけだ・・・」

27: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 02:55:07 ID:nNYwyqlc0
サッ、顔を上げた真子の目は怒りに満ちていた。
“ガッ!”相笠はその目を見た瞬間、強い衝撃で
体が吹っ飛ばされた。真子の右拳が見えなかった。
壁に叩きつけられた相笠。
手を付いて立ち上がろうとするが、髪を掴まれた。
真子の膝蹴りが顔面に直撃する。
髪を掴んだまま、“ドカッ”“ドカッ”と続けて二発。
真子の容赦ない攻撃が相笠の顔面を真っ赤に染める。
真子は相笠の胸ぐらを掴む。
と、同時に拳を叩き入れる。
「仲間だ・・・?!」
“ドカッ”すでに気を失った相笠を殴りつける真子。
「いずれ離れていくだろうが・・・!」
何度も何度も・・・相笠に拳を向けた。
「信じられるのは自分だけだ・・・!」

あまりの惨状に涼花は茫然と立ち尽くしていたが、
ハッと我に返りすぐに助けに向かった。
「止めろこらぁ!!」

28: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 02:57:55 ID:nNYwyqlc0
読んでくれた人ありがとう。
ストックが無くなりかけてきましたー
頑張ります、おやすみなさい。

32: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 06:40:27 ID:UebBSkP/0
>>28
おつです( ̄+ー ̄)GJ

29: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 03:07:14 ID:nNYwyqlc0
真子は振り返りハイキックを涼花に叩きこむ。
体をふらつかせた涼花に止めの後ろ回し蹴り。
涼花もまた地面に倒れるが「くっ・・・」ゆっくりと立ち上がる。
だが真子はそれを許さない。
彼女が立ち上がる事をわかっていたように、
右の拳を顔面に叩きこむ。
涼花が壁に背を打ったと同時に
“バリッ”真子の拳は廊下の窓を割った。
涼花が膝から崩れ落ちたため、偶然にも真子の拳は当たらなかった。
“ぱらぱら”と落ちるガラスの破片と真子の拳から流れる血。
涼花は顔を上げ、見下ろす真子の目をじっと見据え
「あはは・・・」と笑顔を見せる。
大島涼花に真子は問いかける。

「なにが可笑しい?」

「・・・笑っちまうしかねーって感じだろ・・・
 ここまで手も足も出ねーなんてよ・・・」

「・・・」真子は何も言葉を返そうとせず
拳を固く握った。
涼花は真子の目をじっと見つめた後
真剣な表情に変えた。
「さっき・・・お前言ってたよな?
ダチは離れていくって・・・」

真子は涼花の胸ぐらを掴む。
そして涼花は言葉を続けた。

「私はそうは思わねぇな・・・
 お前は、まだ出会っていないだけだよ。
 “本当のダチ”にさ・・・」

涼花には見えた。
真子が拳を振り下ろす寸前に
とても寂しそうな・・・悲しい目をしていたのを。

“ドカッ”─

30: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 03:17:36 ID:qpcYflJ+0
ナイスなスレ立てだ

31: 名無しさん@実況は禁止です 2014/01/20 03:19:57 ID:TARZF3+A0
くぅ~熱いね
お疲れ!

引用元: 【小説】マジすか学園4【主演・小嶋真子】




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